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BLOG さかきばら歯科ブログ

 オールオンフォーとは|残っている歯が少ない・全部抜いてインプラントと言われた方へ仕組み・適応・注意点を歯科医が解説【横浜・妙蓮寺】

義歯が合わず残っている歯の保存も難しい方へ。
見た目と噛み心地を固定式で回復するオールオンフォーの仕組み・適応・メリット・骨の条件・長期管理のリスクまで整理します。

ネットには情報が多く、正しいのか不安になることもあります。この記事では、学会や研究の根拠も踏まえながら、患者さん目線で解説します。

傷んだ歯・傾斜歯が多いとき、1本ずつ治す?全体で考える?
折れて根だけ残っている歯、深いむし歯の歯、大きく傾いた歯。これらが同じ顎に複数あると、1本ずつ補綴で修復するよりも、顎単位で再構築するほうが合理的な場合があります。オールオンフォーは、1顎あたり4本のインプラントで固定式ブリッジを支える設計で、義歯では得にくい”外れない感覚””噛める実感”を回復しやすい選択肢のひとつです。
「他の医院で全部抜いて全部インプラントと言われた」というセカンドオピニオンのご相談も時々ありますが、重要なのは、本当に全部抜く必要があるかを確認する必要があります。保存価値のある歯まで抜いてしまうのは避けたい一方、保存困難な歯を無理に残しても再治療が必要になるなど予後は悪化します。また患者様のライフスタイルやご希望により、早期に見た目と機能を改善する必要がある場合は抜歯する基準が変わることがあります。


オールオンフォーで期待できることと、その限界

■期待できる点
• 固定式上部構造による咀嚼機能・発音・審美性の回復
• 1本ずつ段階的に補綴するより治療費を抑えられ、また治療期間を短縮できる場合がある
• リップサポート(口元のハリ)の回復
■限界・注意点
• 奥まで強い噛み合わせが必要なケースでは追加のインプラントが検討される
• 骨量が極端に乏しい場合は骨造成や多数のインプラント使用など治療計画の再設計が必要
• 長期的にはネジのゆるみ・上部構造の破折・インプラント周囲炎などのリスクが一定程度存在する(他のインプラント治療も同様)
• メインテナンスの負担は天然歯より大きい
日本口腔インプラント学会『治療指針 2024』でも、治療後の定期メインテナンスの重要性が繰り返し指摘されています。インプラント周囲の清掃がうまくいかないと、インプラント周囲炎から脱落に至るリスクがあります。

■術前診査で見ているもの
精密検査では主に次を確認します。
• CBCT(3次元CT):骨の量・質、神経や上顎洞との位置関係
• 口腔内スキャン・模型:噛み合わせ、対合歯とのクリアランス
• 全身状態:糖尿病、骨粗鬆症治療薬の使用状況、喫煙、服薬歴、その他の全身疾患
• 歯周評価:残存歯の保存可否、口腔衛生状態
• 審美評価:スマイルライン、リップサポート、歯肉の露出程度

これらを踏まえて、埋入本数・位置・角度、即時荷重の可否、上部構造の仕様(材質・設計)、メインテナンス計画までを提示させていただきます。

■向いている方/慎重に検討すべき方(一般論)
・向きやすい:保存困難歯が多く、義歯で機能・審美が成立しにくい/手術・通院に耐えうる全身状態/忙しく治療期間を短縮したい方/メインテナンスに通い続けられる。
・慎重に検討:コントロール不良の糖尿病/重度骨粗鬆症治療中/手術に問題が生ずる全身疾患/重度喫煙/骨量が極端に少ない/通院継続が難しい。

判断は画像診断を含む精密検査や全身評価を経てからが原則です。ご自身で「向いているかも」「向かないかも」と決めつける前に、一度データ(CT等)を見ながら整理するのが確実です。


■FAQ
Q. 手術当日に噛めるようになりますか? A. 即時荷重(手術当日に仮の固定式を装着)を原則目指しますが、骨の質などによっては難しい場合もあります。当日入るのは仮歯で、最終上部構造までには数ヶ月の治癒期間が必要です。当日から硬い食品を噛むのは避け、柔らかめの食事から始めていただきます。

Q. 他院で「全部抜いて全部インプラント」と言われました。残せる歯はありますか? A. 残根・重度むし歯・大きな傾斜歯は保存困難なことが多いですが、治療計画全体の中で抜歯の判断をしていきます。セカンドオピニオンとしてCT・口腔内所見をもとに再確認することをおすすめします。

Q. 費用と期間の目安を教えてください。 A. 横浜さかきばら歯科・矯正歯科のオールオンフォーは上部構造(被せ物部分)の材料により価格が異なります。
• 片顎 295万円〜:上部構造がチタンフレーム+ハイブリッドセラミックのタイプ
• 片顎 380万円〜:上部構造がジルコニアセラミック(高強度・高審美性・汚れもつきにくい)のタイプ
• ともにインプラント学会認定専門技工士(アメリカ・ドイツでの長期の経験あり)
いずれも精密診断(CBCT・口腔内スキャンなど)、手術、仮の固定式上部構造、最終上部構造を含みます。骨造成など追加処置が必要な場合は別途ご案内します。治療期間は概ね4〜9ヶ月が一つの目安です。詳細は精密検査後にお見積もりをお渡しします。

【安全性に関する注記】
感染・出血・神経損傷・上顎洞穿孔・インプラント周囲炎・脱落・上部構造の破折などのリスクがあり、効果・予後には個人差があります。全身状態・骨量・喫煙習慣等により全員に適応できるわけではありません。費用・期間は目安であり、症例により変動しますが実際の治療時には書面でのお見積もりをお渡しいたします。定期的なメインテナンスが長期予後に直結します。

【監修者】
榊原 毅 日本口腔インプラント学会 専門医/インビザライン認定医/日本包括的矯正歯科学会 副代表/日本歯周病学会 認定医/厚労省認定臨床研修指導医(東京科学大学 歯学部) 「不安を煽らず、できること・難しいことも含めて丁寧に説明し、納得して選べる診療を心がけています。」

オールオン4のような大きな治療ほど、”急がないこと”が大切だと考えています。横浜・妙蓮寺で、専門医と専門技工士のチームが、納得いくまでご相談を重ねます→

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【参考文献】
1. 日本口腔インプラント学会『口腔インプラント治療指針 2024』 https://www.shika-implant.org/
2. Soto-Peñaloza D, et al. The all-on-four treatment concept: Systematic review. J Clin Exp Dent, 2017. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28828167/
3. 厚生労働省「医療広告ガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokoku/index.html